個人事業税の基礎知識:課税対象と税率

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個人事業税は、地方税法で定められた個人事業(法定業種)に対してかかる税金です。事業を営む際に利用する道路や上下水道などの行政サービス費用の一部を負担する目的で、各都道府県に納税する仕組みとなっています。この記事では、個人事業税の課税対象と税率について詳しく解説します。

個人事業税の概要

個人事業税は住民税や固定資産税と同じく「地方税」に分類される事業税の一種で、都道府県が課税主体となる都道府県税です。所得税や消費税など国に納める「国税」とは別の税金であり、税務署や国税局ではなく、都道府県税事務所が主な問い合わせ先となります4

課税対象者

個人事業税の課税対象者は、以下の条件を満たす個人事業主です:

  1. 都道府県内で法定業種に該当する事業を営んでいること
  2. 事業所得が290万円を超えていること

法定業種は全部で70種類あり、3種類の事業に分類されています。作家や文筆家、漫画家などは法定業種に該当しないため、個人事業税の対象外です。

税率

個人事業税の税率は業種によって異なります:

第1種事業(37業種):税率5%

物品販売業、運送業、不動産貸付業、製造業、旅館業、料理店業、飲食店業、金銭貸付業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、電気通信事業、席貸業、演劇興行業、遊技場業など

第2種事業(3業種):税率4%

畜産業、水産業、薪炭製造業

第3種事業(30業種):税率5%(一部3%)

医業、弁護士業、税理士業、公認会計士業、デザイン業、理容業、美容業、クリーニング業、獣医業、歯科医業、司法書士業、行政書士業など

あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業、装蹄師業は3%の税率が適用されます。

計算方法

個人事業税は以下の計算式で算出します:

個人事業税の額 = 課税所得金額 × 税率

課税所得金額の計算式:
事業所得 ± 事業専従者給与額 + 青色申告特別控除額 – 各種控除額

事業主控除

個人事業税には「事業主控除」という特別な控除があり、年290万円を控除することができます。つまり、総収入から必要経費を除いた額が290万円を超えていない事業者は課税されません。

ただし、この事業主控除は、事業を開始してから1年未満の場合は期間に応じて月割で適用されます。例えば、7月1日から事業を開始した場合、7~12月の6ヶ月分の145万円しか控除されません。

納税時期

個人事業税の納税時期は8月と11月で、前年の所得に対する税額を2回に分けて納付します。所轄の税務署に提出した確定申告をベースに税額が計算されて都道府県から納付書が送られるので、別途申告する必要はありません。

注意点

  • 個人事業税は全額を経費にすることができます
  • 青色申告特別控除は個人事業税の計算では所得に加算されます
  • 事業主控除の金額は、事業を行っていた期間が1年未満だった場合、月割に応じた額に減少します
  • 税率を求める際に調べる法定業種の区分は、過去に開業届に書いた事業ではなく、現在実際に行っている事業の業種です

まとめ

個人事業税は、法定業種で事業を営み、所得が290万円を超える個人事業主に課される都道府県税です。税率は業種によって3~5%と異なるため、自分の事業がどの区分に該当するかを把握しておくことが重要です。事業主控除として290万円が控除されるため、所得が290万円以下の場合は課税されません。

個人事業主として事業を営む際は、個人事業税の仕組みを理解し、適切な税務管理を行いましょう。