各種保険の加入検討

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個人事業主として事業を営む際、適切な保険への加入は将来のリスクに備えるために非常に重要です。会社員とは異なり、個人事業主は社会保険の加入条件や負担額が異なるため、自身の状況に合わせた保険選びが必要となります。この記事では、個人事業主が検討すべき公的保険と民間保険について詳しく解説します。

個人事業主が加入できる公的保険

健康保険

個人事業主が選べる健康保険には主に以下の選択肢があります:

  1. 国民健康保険:原則として個人事業主は各自治体が運営する国民健康保険に加入します。保険料は前年度の所得に応じて決まり、白色申告者と青色申告者で保険料が異なる場合があります。青色申告の65万円控除を受けている場合は、白色申告よりも保険料が安くなることがあります。
  2. 任意継続:退職前に加入していた全国健康保険協会(協会けんぽ)または健康保険組合を、退職(資格喪失日)から20日以内に申請すれば最長2年間継続できます。ただし、退職後は保険料を全額自己負担する必要があります。

国民健康保険と任意継続のどちらが有利かは、個人の収入状況によって異なるため、保険料を比較して判断することが重要です。

年金保険

個人事業主は原則として国民年金保険に加入します。国民年金保険は収入による変動はなく一定額を支払い、全額自己負担となります。これに対し、会社員は厚生年金保険に加入し、会社と保険料を折半して支払います。

介護保険

40歳以上の国民が加入対象となる介護保険は、要介護状態になった際に介護サービスを受けるための保険です。個人事業主も加入義務があります。

個人事業主が加入できない公的保険

雇用保険

雇用保険は、従業員が失業した時に失業保険を受け取るための制度です。個人事業主本人は加入できません。そのため、失業時の保障がないことを認識しておく必要があります。

労災保険

労災保険は、従業員が業務中にケガを負った場合や病気になった場合に医療費や補償金が給付される制度です。個人事業主本人は原則として加入できません。

個人事業主が民間保険に加入すべき理由

個人事業主が民間の保険に加入すべき主な理由は以下の通りです:

1. 傷病手当金がない

個人事業主には、会社員が受けられる健康保険の傷病手当金の受給資格がありません。会社員であれば、病気やケガで会社を一定期間休んだ場合、給与の約3分の2が支給される傷病手当金を受け取ることができますが、個人事業主にはこのような制度がないため、病気やケガで働けない場合に収入がゼロになる可能性があります。

2. 年金額が少ない

個人事業主の老齢年金・遺族年金・障害年金は基礎年金分しかもらえないため、将来的な年金受給額が会社員に比べて少なくなります。

個人事業主が検討すべき民間保険

1. 医療保険

国民健康保険ではカバーしきれない部分に備えるための保険です。入院・手術が必要な場合の入院中の食事代や差額ベッド代などをカバーします。入院1日あたりの給付金や、特定の病気にかかった場合の一時金など、様々な種類があります。

2. 就業不能保険

怪我や病気などで通常通り働くことが困難であると医師から診断を受けた際に、給付金を受け取れる保険です。入院以外に自宅療養も適用されるため、働けなくなったときの収入を補填する役割を果たします。

3. 個人年金保険

契約の際に決めた年齢から一定期間もしくは亡くなるまで年金を受給できる保険です。個人事業主の老齢年金は基礎年金分しかもらえないため、個人年金を取り入れることで将来的な年金受給額を増やすことができます。

4. 生命(死亡)保険

保険加入者に万が一のことがあった場合に、残された家族のためのお金を保障する保険です。定期保険、終身保険、養老保険、収入保障保険などいくつかの種類があります。会社員よりも遺族年金の金額が低めな個人事業主は、保障を高めに設定する必要性が高いです。

5. 火災保険・地震保険

住まいを店舗とする場合や、テナントを借りた場合、これらの物件に損害を受けた場合に備えて火災保険・地震保険への加入を検討する必要があります。

個人事業主の保険加入時の注意点

1. 社会保険料は全額自己負担

個人事業主は社会保険料をすべて自己負担で支払わなければなりません。会社員の場合、個人と会社で折半できるため、保険料は安くなりますが、個人事業主には折半する相手がいないため、負担額が会社に勤める従業員と比較して増加します。

2. 社会保険料は経費にならない

個人事業主が納付した社会保険料は、経費として計上できません。ただし、「社会保険料控除」として控除申請が可能です。支払った社会保険料の全額が控除対象となるため、節税につながる点はメリットです。

3. 段階的な保険の見直し

最初から高額の保険に入るのではなく、事業や世帯の状況を見ながら、徐々に見直しをするほうが良いでしょう。事業の成長や家族構成の変化に合わせて、適切な保障内容に調整していくことが重要です。

まとめ

個人事業主は会社員と比べて公的保険の保障が限られているため、リスク管理のために民間保険を活用することが重要です。特に、傷病手当金がない点や年金額が少ない点を考慮し、医療保険、就業不能保険、個人年金保険などを検討することをおすすめします。

保険料は全額自己負担となりますが、事業の状況や家族構成に合わせて段階的に見直しを行い、適切なリスク管理を行いましょう。また、社会保険料は経費にはなりませんが、社会保険料控除として申請できるため、確定申告の際に忘れずに申請することが大切です。